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SDGs 目標8「働きがいも経済成長も」とコロナウイルスの影響

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 コロナウイルスが世界中に大きな影響を与える中、各国のSDGs 目標8「働きがいも経済成長も」についても深刻な影響が出ています。

皆さんは自分の国だけでなく、コロナウイルスが世界の他の国が雇用や経済にどのような影響を受け、対策しようとしているか理解しているでしょうか。

この記事では南国の島国フィジーに注目し、コロナウイルスがSDGs 目標8「働きがいも経済成長も」にどのような影響を与えているか調査文献やニュースから実態を理解し、海外の私たちにも出来る対策を考えていきます。

SDGs 目標8「働きがいも経済成長も」とコロナウイルスの影響

コロナウイルスがフィジーの観光業を直撃

 フィジーは徹底したコロナ対策によりコロナフリーの国として知られていましたが、ついに1年ぶりに感染者が発生してしまいました。

これを受けフィジー国内では再び厳しい封じ込め策が実施されており、緊迫する中で人々の生活や経済に影響が出ています。

しかしながら、フィジー経済に影響が出るのはフィジー国内の感染者だけではありません。

フィジーの一大産業といえばなんと言っても観光部門です。

コロナウイルスの観光業への影響は2019年11月頃から出始め、2020年3月には殆どの観光業に影響が広まりました。

2020年7月時点の調査では観光業の約50%が休業しており、このまま先3ヶ月で外国人観光客の客足が戻らなければ30%近くの観光業が失業・廃業に近い状態もしくは失業・廃業に追い込まれ、さらに3ヶ月長引けばその比率は60%に達すると見込まれていました。

現在はまさにそれが現実となった形です。

SIFジャーナルではフィジーのコロナ最新状況も追っていますのでこちらの記事もご覧ください。

フィジーのホテル観光協会も危機感

 またFBCによると、観光客の大幅な減少がフィジーの観光業を直撃し、フィジーのホテル観光協会の約279のホテルが閉鎖に追い込まれました。

ホテル事業はホテルだけでなく飲食業、清掃、エンターテイメントなど周辺事業の労働者にも深く結びついていますので、279のホテルが閉鎖すれば全体では相当数の雇用が失われることになります。

人々がコロナウイルスに対して予防策を講じており、多くの政府が国境を閉鎖しているため、今後数か月間は予約がゼロになる。

またフィジーのホテル協会の最高経営責任者であるFantashaLockingtonは、今後6か月間フィジーを訪れる観光客がいないと予測しており、現金が主流の小規模事業者はキャッシュ不足に陥る可能性が高いと話しています。

フィジー全土で営業を続けているホテルやリゾートは30未満しかなく、今後もその数は減少する見通しです。

現在、約2万人のホテルやリゾートで働く労働者が仕事に就けずにいます。

About 279 operators under the Fiji Hotel and Tourism Association have closed due to a drastic decline in tourists.
Association Chief Executive, Fantasha Lockington says there are zero bookings for the next few months because people are taking precautions against the Coronavirus and many governments have closed their borders.
Lockington says with no tourists forecast to visit Fiji for the next six months, small cash based operators will feel the pinch – if they haven’t already.
Over a prolonged period, this will dig into their savings.
“You’re not going to survive, you’re going to run out of cash. Smaller businesses have a huge dependence on cash flow. If they don’t get any direct assistance from the government then they’re just not going to be able to keep their head above water.”
Less than thirty hotels and resort remain open across Fiji, operating at a reduced scale.
As of today, about 20,000 hospitality workers have been sent home.

産業構造から見るSDGs 目標8「働きがいも経済成長も」

フィジーの経済成長を支えてきた観光業

 美しい海、豪華なリゾート施設を求めて、フィジーには毎年約87万人の外国人が訪れており約FJ$20億(1,000億円)ものお金を落としてくれます。

これがフィジーにとってどれ程の規模かというとフィジーの総人口は約89万人なので、国民総人口と同じだけの人口流入が毎年あることになります。

観光部門は約12万人のフィジー人を雇用しており、フィジーの国内総生産(GDP)の30%以上を占めています。

SDGs 目標8「働きがいも経済成長も」を達成する上での方針

 一方でフィジーはコロナウイルスが蔓延する前から、観光業に頼りすぎている経済構造を変化させる方針を打ち立てていました。

 フィジーの2030アジェンダとその17のSDGsの実施に関する包括的なレビューVNR-Voluntary National Reviewにおいて、フィジーは独自の観光商品、バックオフィス、ICT、衣類、ペットボトル輸出等を成長させていく方針を立てていくことを明らかにしています

主な理由としてはフィジーは度重なる自然災害や気候変動の影響を強く受けてきた歴史があり、産業を分散させることでリスク対策をしたいという考えがあります

フィジーのSDGs 目標8「働きがいも経済成長も」についての取り組みと実態についてはこちらの記事にもまとめてありますのでご覧ください。

SDGs 目標8「働きがいも経済成長も」と非雇用者率

世界の非雇用者率の予測

OECDによると2020年第4四半期の失業率は9.4%と5%代だったコロナ前から大きく悪化すると予想しています。

コロナウイルスが雇用にもたらす影響は特に欧米諸国に現れましたが、これからはインドなど他国にも拡大していくことが予想されます。

フィジーの非雇用者率の予測

Trading Economicsによると、2019年までのフィジーにおける失業率は4%代を推移してきましたが、2021年には7%に悪化すると予測されています。

世界を見てしまうと一見フィジーの非雇用者率はそれほど悪くないように見えます。

しかしながらGDPの30%を占める観光業が麻痺する中で関連する飲食やサービス業にも大きな影響が出ることは避けられず当初見込みよりも悪化する可能性は否めません。

またVNRでも取り上げられていたようにフィジーには計測出来ていない小規模事業者や小さな集落などが無数にあると言われ、コロナウイルスの影響は時間をかけて深くフィジーのSDGs 目標8「働きがいも経済成長も」に影響していくと考えられます。

SDGs 目標8「働きがいも経済成長も」で重視したいこと

政府のSDGs 目標8「働きがいも経済成長も」対策

 今後しばらく各国が予防策を強め観光客の流入が見込めないとすると、国の主産業が観光部門であるフィジーはどうすればSDGs 目標8「働きがいも経済成長も」を達成できるのでしょうか。

現在の世界の状況を見れば、観光客の往来がコロナ前の水準に戻るには相当な時間がかかると考えるのが自然です。

この前提に立てば、フィジー政府が公言しているように今後はICT、小売り、製造など他のセクターに継続的に投資し観光部門一本足からの脱却を目指さなければならないでしょう

またフィジーではまだまだビジネスにテクノロジーやイノベーションが入っていない分野が多く残っており、革新的で柔軟な金融システム、高度な教育システムを開発していくことにより事業者の体力の底上げをしていく必要があります

日本からフィジーと共に出来ること

 フィジーにイノベーションが起きづらい理由の一つには地理的な問題もあります。

無数の島国から構成されていることで規模の観点からの資本効率が悪く、大きな資本が入りづらいという点が挙げられます。

だからこそ、個人や小さな組織がだからこそ実現できる小さく小回りの効くサポートが非常に有効ではないかと思います。

またフィジーでも近年オンラインの利用率は高まっており、オンラインを通じた産業や事業はこれから伸びる余地が十分にある分野です。

このSIFジャーナルを運営している我々SIFも、この視点からフィジーのSDGsを切り口に社会課題に一緒に取り組ませてもらえるのではと考え日々事業アイデアを考えています。

SIF立上げの想いについてはこちらの記事をご覧ください。

コロナ後の世界にフィジー流経済学を

 フィジーは経済規模も小さくまだまだ脆弱ではありますが、他国にはない思想・文化を持ち合わせた国でもあります。

例えば人と何でも共有してしまう”ケレケレ”というフィジー人のDNAとも言える習慣は、持続可能な世界に向けたキーワードであるシェアリングエコノミーに通ずるところがあります。

現在のような苦しい時こそあらゆる価値観が大きく変化していきます

フィジー人はすでに独自の思考法で世界でもトップレベルに幸福度が高い国ですが、中でもフィジー人はモノや感情を共有する中で人とのコミュニケーションや繋がりを重視しています。

コロナの中で物質的な豊かさや極度の資本主義を見直す動きがある中で、フィジー流の経済学は今後の豊かさにヒントを与えてくれるかもしれません。

フィジー人のDNAとも言えるケレケレの考え方についての記事も今後アップしていく予定です!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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参考サイト:

FBC https://www.fbcnews.com.fj/business/93-of-hotels-and-resorts-under-fhta-closed/

Trading Economics https://tradingeconomics.com

Investment Fiji https://www.investmentfiji.org.fj/pages.cfm/for-investors/sector-industry-profiles/tourism.html

the guardian https://www.theguardian.com/world/2020/apr/16/its-catastrophic-fijis-colossal-tourism-sector-devastated-by-coronavirus

労働政策研究・研修機構 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/f/f01.html

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