SDGs14 日本の取り組み 事例 海の豊かさを守ろう

チキウ岬灯台 室蘭市 北海道

SDGs14は、「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。」ことをテーマに、10個のターゲットで構成された目標です。

なぜ私たちは「海の豊かさを守ろう」を目指さなければならないのでしょうか。

まず1つ目は、海洋汚染です。

特に海洋へのプラスチック投棄は深刻で、2050年までに魚の量を上回るほどだと言われています。

魚がエサだと勘違いしてプラスチックを食べたり、美しい景観がゴミのせいで台無しになったりするなどの被害が、今現在起きています。

そして2つ目が、魚の獲り過ぎです。

魚類の93%が獲り過ぎ、またはもうすぐ獲れなくなると言われ、2022年現在の魚類捕獲量は、1970年の49%しかありません。

漁獲量が減ると、私たちはもう魚を食べられなくなるだけではなく、3億人ほどの漁業従事者が失業する可能性があります。

このように、海洋資源が破壊され、枯渇していく現状を変えるためにも、国連を始め、世界各国が保全に取り組んでいます。

内閣府によると、政府は人工種苗育成技術や低環境負荷養殖技術を開発したり、水産資源を育成する藻場・干潟の管理・保全を推進したりするなど、SDGs14に関連する取り組みを84個掲げています。

しかしながら、政府や自治体が行なわれている取り組みは専門的で、一般人である私たちにとって難しそうだし、理解するのに時間がかかるものが多いです。

ここで今回は、より簡単で、分かりやすく、身近な取り組みを調べてみました!

科学者、専門家でなくても、小学生から大人まで「海の豊かさを守りたい」という思いを持っている方々が実際に行っている事例を、3つの切り口から紹介しますので、是非最後まで読んでみてください!

目次

SDGs14 日本の取り組み 海の豊かさを守ろう ~「創ろう」編~

「海をきれいにしたい!」、または「海のきれいさをみんなに知ってもらいたい!」。

そういう思いを持って、商品を開発したり、アート作品を創ったりする人々はたくさんいます。

最初はみなさんに、海の豊かさのためにアイディアを絞って何かを「創った」方々を紹介します。

SDGs14の事例その1:LOCAL FISH CAN グランプリ

まずは、オリジナル缶詰めを開発する高校生プロジェクトを紹介します!

一般社団法人全国道文化交流機構が主催する「LOCAL FISH CAN グランプリ」とは、日本各地域が抱えている「課題魚」を題材に、オリジナル缶詰を開発するコンテストです。

海の生態系を破壊している「犯人」を見つけ出し、専門家や漁業従事者と共に問題を解決するという、高校生にとってはとても貴重な体験をすることができます。

例えば、昨年優勝した富山県立滑川高等学校では、ホタルイカ漁で一緒に穫れてしまう価値の低いイワシを使い、ブラックラーメンの味付け缶詰を開発しました。

また、優秀賞を受賞された大分県立海洋科学高等学校が開発したのは、海藻を食べてしまうブタイを使用したスパイシー風の缶詰です。

このように、高校生がアイディアを出し合い缶詰めを作ることで、海の豊かさを守るだけではなく、地域の貢献にも繋がります。

SDGs14の事例その2:“名画になった”海 展

次は、海洋保護の啓発に貢献した「海洋アート」をご紹介します。

株式会社横浜八景島はITOCHU SDGs STUDIO(東京都港区北青山)にて、海洋問題をアートで表現した特別展「“名画になった”海 展」を2022年7月18日まで開催しました。

名画で知られている「富嶽三十六景」や「サント=マリーの海の風景」などを使い、人々が海洋を破壊し続けたらどういう景色になるかAIが予想し、表現するという面白い展覧会です。

実際に、私も「“名画になった”海 展」に参加してみました。

コチラは館内の写真です。

こちらは、AIが予想した2050年の浮世絵「富嶽三十六景」(葛飾北斎作)の景色です。

もし、人々がこのまま不法投棄をし続けたらこのように、海はごみによって埋め尽くされます。

また、こちらはマイクロチップで作られた芸術品です。

とても美しいですが、海洋生物はこれらを食べて犠牲になると考えると、切なくなります。

筆者は「プラスチック」や「SDGs14」に関する記事を普段から読んでいますが、「“名画になった”海 展」を通してより海洋汚染の深刻さが伝わり、「2050年になるとこうなるかも」と、少し危機感を覚えました。

SDGs14 日本の取り組み 海の豊かさを守ろう ~「消費しよう」編~

「サステイナブル・シーフード」とは何か知っていますか?

水産養殖管理協議会(ASC)によると、

将来もお魚を食べ続けていくことができるように、水産資源や環境に配慮し適切に管理されたMSC認証を取得した漁業で獲られた水産物、あるいは環境と社会への影響を最小限に抑えたASC認証を取得した養殖場で育てられた水産物

https://jp.asc-aqua.org/what-we-do/sustainable-seafood/

を指します。

ここで、「サステイナブル・シーフード」を販売、提供している団体をご紹介したいと思います!

SDGs14の事例その3:サステイナブル・シーフードのBtoB専用カタログ(シーフードレガシー)

シーフードレガシー(東京都中央区)が運営している「サステイナブル・シーフードのBtoB専用カタログ」では、MSC認証された商品、つまりサステイナブル・シーフードしか売られていないのです。

早速ホームページを見てみると、一本釣り生カツオ、ムキエビ、真鯛など、約80種類ほどの商品が表示されています。

「Sustainable Seafood Catalog」ホームページより

原料原産地を見てみると、日本だけでなく、アイスランド、ミクロネシア、ベトナムなど、20か国ほどあるようです。

写真を見ると、一見普通の海産物と見た目は変わりませんが、商品化されるまでの過程がおそらく誰よりも環境を配慮し、海洋資源にダメージを与えないよう工夫されているだろうと考えました。

どの商品もおいしそうで、買ってみたいところではありますが、残念ながら現在は飲食店や企業向けのみが販売されています。

気になる方は公式サイトをチェックしてみてください!

SDGs14の事例その4:セブン&アイ・ホールディングス

実際にサステイナブル・シーフードを使用した商品を買える、食べられるお店はたくさんあります!

まずは意外だと思うかもしれませんが、セブン&アイ・ホールディングスです!

「セブンイレブン」や「イトーヨーカドー」でお馴染みのセブン&アイ・ホールディングスでは、MSC認証された商品以外にもMEL認証や、アラスカシーフードも販売されています。

  • MEL認証とは:水産資源の持続性と環境に配慮している漁業、養殖業に対して与えられる、日本発の水産エコラベル認証制度。
  • アラスカシーフードとは:アラスカで生産されたシーフードのこと。持続可能(サステイナブル) な水産資源の活用や、漁業のあり方などがアラスカ州憲法に明記されているほど、長年地球や環境にやさしい漁業が行われている。

実際に筆者は都内のイトーヨーカドーでサステイナブル・シーフードを探してみました!

特にこちらの鮭コーナーでは、産地や生産方法が様々な鮭が売られています。

例えば、こちらの鮭はMEL認証されており、生産者の名前まで表示されています。

また、こちらはアラスカで獲れた鮭です。

他にもMSC認証されたシーフードがたくさん売られています!

また、イトーヨーカドー以外にもヨークマートやヨークプライスで売られているようです。ぜひ一度買ってみてください!

SDGs14の事例その5:シンシアブルー(東京都渋谷区)

次に、サステイナブル・シーフード専門の飲食店を紹介します。

東京原宿にあるシーフードフレンチ「シンシアブルー」は、元ミシュラン1つ星店のシェフが調理し、サステイナブル・シーフードや、未利用魚※を使ったフレンチブッフェを提供しています。

たとえキズがあるお魚を使っても、鮮度は落ちることがなく、どんなお魚でも美味しく食べられるようです。

口コミを見てみると、「とことん映えてすこぶる美味しい!」や、「海の豊かさを守ろう!サステナブル・シーフードの美食の宴」など、ポジティブなコメントをたくさん見受けられます。

ディナーはなんと、ブッフェが提供されているようです!

皆さんも機会があったら是非行ってみてください!

  • ※未利用魚とは:形が悪かったり傷がついていたり、出荷数がそろわなかったりするなど、市場に出回ることができないもったないお魚のこと。

SDGs14 日本の取り組み 海の豊かさを守ろう ~「盛り上げよう」編~

公益財団法人日本財団は、海洋保護に関するイベントを数多く実施しています。

その中で、代表的なものをいくつか紹介します。

SDGs14の事例その6:海ごみゼロウィーク

まずは毎年の春と秋に、「海ごみゼロウィーク」が実施されます、

今年の「春の海ごみゼロウィーク」は5月28日(土)から6月12日(日)までで、その間に「ごみゼロの日」(5月30日)、「環境の日」(6月5日)、「世界海洋デー」(6月8日)の3つの記念日がありました。

期間中は、主催のプログラムやイベントに参加できる以外に、30人以上の団体の場合は自分でイベントを企画できたみたいです。

実施エリアの市区町村に必要な情報を連絡することで、オリジナルごみ袋をもらい、清掃活動ができます。

2022年の「秋の海ごみゼロウィーク」は9月17日(土)から9月25日(日)まで開催されます。

詳しくは公式ホームページをチェックしてみてください!

SDGs14の事例その7:海のキッズサポーター

公益財団法人日本財団は、海洋保護に興味がある、または海が大好きな子どもたちを紹介するプラットフォーム「海のキッズサポーター」があります。

「特に干潟が好き」や、「昼は色鮮やかで、夜は波の音が気持ち良い」など、93人ほどの子どもの海に対する思いが載っています。

どのコメントも面白く、子どもたちの思いが筆者に伝わり、「ぜひ応援したい!」と、無意識に思ってしまいます。

さらに、中には活動を企画したことがある子もいます!

将来の夢が科学者であるキッズサポーターは、熊本県の干潟を観察し続け、なんと50種類以上の生物を発見したようです!

みなさんもぜひ、海の豊かさを愛し、守り続けているキッズサポーターたちを応援してみてください!

SDGs14の事例その7:SIFはごみ拾いを始めました!!

Social Inovation Fijiは、2022年7月10日に神奈川県の逗子とフィジーでごみ拾いを行いました!

インスタライブで両地を繋ぎ、拾ったごみをそれぞれ見せ合いました。

ごみの量に関しては、フィジー側が多かったですが、日本側は吸い殻や紙のくずなど、小さいごみが多かったのです。

ゴミ拾いに関する記事はコチラへ↓

Zushi×Fiji”グローカル”ビーチグリーン~活動報告~

日本側のごみ:

フィジー側のごみ:

最後に

みなさんいかがだったでしょうか?

「海の豊かさを守りたい」、という思いを持っている方々は老若男女問わず、身近にたくさんいます。

実は誰でも、「海の豊かさ」を守ることができます!

大きなプロジェクトを企画しなくても、海を守ろうとする方々を応援するだけで十分です。

例えば、海洋保護に関係する芸術展に参加したり、サステイナブル・シーフードを購入したり、ゴミ拾いをしてみたりすることです。

みなさんも一緒に、SDGs14「海の豊かさを守る」ために行動してみませんか?

Social Innovation Fijiも、社会問題の解決に向けて、さまざまな取り組みを行っています。

良かったらぜひ、今後のイベントに参加してみてください!

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