突然タイトルが衝撃的ですが、これは嘘でもなんでもありません。
「主観的幸福度世界No.1」の国フィジーは発展途上国。
電気や水道が止まることもしばしばで、ものが壊れたらガムテープで補修してずっと使います。
大災害でもない限りインフラが止まることがない、日本でより豊かな生活を送っているはずの私たち。
でも、十分な貯金があっても、車や家があっても、こんなことは言えないのではないでしょうか?
リストラされても「幸せ」と言える。
今回はそんなフィジーの小噺です。
幸せの秘密を感じ取ってみて下さい。
ある日出会ったフィジーリストラ5人組
コロナ禍が始まったばかりの2020年4月30日の午前11時。月初のサイクロンが嘘のように晴れわたった、青空がきれいな日。
SIF代表の川上がフィジー第3の都市ナンディを歩いていたときのことでした。
観光地でもあるこのエリアで何やら盛り上がっている、陽気な5人組に遭遇しました。
実はこの5人、フィジーがコロナの初期対応で強力なロックダウン(都市封鎖)を実施し、川上が家に帰れなくなったとき、お世話になったホテルの従業員の方たちでした。
シフトの関係でいつもバラバラなはずの5人が全員そろっている。何でかな?と思いつつ、話を聞いてみると
……なんと5人ともリストラされた直後とのこと。
日本だったら落胆のあまり、夕陽に照らされた誰もいない公園のブランコでひとり揺れているところでしたが、
彼らの答えは
「リストラされたけど明日死ぬわけでもないし、今日は天気がいいから幸せだよ」
でした。
しかも写真を一緒に撮ってもよいか?と尋ねると、快くOKをくれました。
さて、ではなぜコロナ禍とはいえ5人も一度にリストラされてしまったのでしょうか……?
フィジーで起きたリストラの嵐〜背景はコロナ禍
5人のリストラは氷山の一角にすぎません。
コロナ禍により観光業で失業が相次いだフィジー
コロナ禍で国際線がほぼ全て停止したことから、GDP40%を占める観光業が大ダメージを受けほぼゼロという状況になりました。
イメージしにくいと思うので、比較してみましょう。
これは、ウクライナ侵攻をしたことでロシアが受けている制裁よりも大きな割合です。
(参考までに、2022年3月のロシア予想成長率は-8.5%)
このように、観光業の落ち込みにより、2020年のGDP成長率は-19%となりました。(コロナウイルスがフィジーに入り込む以前の2020年1~3月は観光業の進捗が良く、4月以降の落ち込みを受けても-19%にとどまりました。)
全人口90万人弱のうち、観光業では約4万人が働いており、間接的には約12万人もの雇用を生んでいるといわれます(参考:)。
フィジーでは、本来65歳以降に受給できる年金を、先に引き落とせるようにするなど政府からの措置がされましたが、人々の暮らしが苦しくなったことには違いありません。
そんな状況でも幸せでいられるフィジー人のすごさがわかるでしょうか。
2022年コロナ禍の夜明け:フィジーのいま
国際線停止後しばらくはコロナゼロを達成していたフィジーですが、一時はデルタ株が蔓延するなど、他国同様にコロナに揺れました。
2022年は国際線も再開され、観光業も復活しようとしています。
いまでは至る所で海外からの観光客を目にするようになりました。
それに伴い、多くの新規のバーやクラブがコロナ禍で潰れた物件に再オープンし、雇用も戻ってきています。
まだまだ完全復活とまではいきませんが、美しい海と笑顔の国フィジーの活気は戻りつつあります。
社会課題は山積みではありますが……
まとめ:フィジー人に学ぶ幸せのあり方
いかがでしたか?
幸せのヒントは掴めたでしょうか。
人の発想というのは自分という枠の中に収まるものでしかないように思います。
その枠を超えたアイデアを知るには、自分とは全く別の価値観を持った人に出会うしかないのかもしれません。
そういった意味ではフィジーは最高の場所ではないでしょうか。
たった150年前、文字も持っておらず狩猟採集をしていた状態から、突然文明化され資本主義化したフィジーには、いまでもお金が存在しないときの風が吹いています。
だからこそ本当の意味で「お金じゃない幸せ」を感じることができるのだと思います。
SIFではフィジーの幸せと、その裏に隠された社会問題を知り、学び取るための様々なプログラムを開発中です。オンラインのプログラムと、実際に現地に行けるもの、両方をリリース予定ですので、気になる方はお気軽にお問合せください!先行して完成品のお知らせやモニター価格でのご紹介をいたします。
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