本当に世界に通用する?フィジーで育てるグローカル人材

Social Innovation Fiji は2022年6月27日に、「本当に世界に通用する?フィジーで育てるグローカル人材」をテーマに一般公開会議を開催いたしました。本記事は、その一般公開会議の要約です。

  今回は、社会課題解決に取り組みながらグローカルな人材(異文化など自分の外のグローバルな刺激に触れ、そして内省や自分の意見を出すローカルを作れる)を育てるには何が必要か、3名の熱い男たちによる議論が行われました。

  視聴者の方々からも好評で、すぐに7月12日に第2回目を開催することが決定いたしました。

目次

会議参加者

  • タクトピア株式会社 代表取締役 長井悠氏
    複雑で不確かな世界を自らの意志で切り拓いていく「グローカル*リーダーの発射台」です。グローカルリーダーシップ育成を目的とした、個人・教育機関向けの学びのデザイン、及びコンサルティングを行っています。
    *グローカル=グローバル+ローカル
    https://taktopia.com/
  • 株式会社リンクアンドモチベーション エグゼクティブディレクター 樫原洋平氏
    経営学・社会システム論・行動経済学・心理学などの学術的成果を取り入れた、リンクアンドモチベーションの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」によって、お客様の組織課題の解決、各個人の成長支援を行っています。
    https://www.lmi.ne.jp/
  • 主催者Social Innovation Fiji  代表 川上晃史
    「社会問題を事業で解決する人になる」をテーマに、フィジー×社会課題解決。SDGsを切り口に、幸福度ランキング世界1位の南国フィジーで、様々な社会起業に挑戦。フィジー伝統のタパ柄製品のブランド「Fiz」やオンライン英会話で就労機会の増加に取り組みます。
    https://www.sifiji.org/

動機づけを意識する

  まず初めに注目すべき内容は、長井氏が提起する生徒の動機づけに関する問題です。

 長井氏は、問題視する点を以下のように述べています。

「生徒たちは、海外研修などで渡った先でアウトプットを行うプロセスにより、とてもモチベーションが上がる。だが、帰ってきてから時間が経つと、現場にいた時の熱意が消えてしまう。」

  皆さんは、新しい環境で何かに挑戦するとき、挑戦している最中はモチベーションが高まるのに、終わってしまうと何だか空っぽな感覚になることはありませんか?

  この感覚は、楽しいことをしている最中にも、これが終わったらまた仕事だ、といった、現実を思い出すがために、心から楽しめないことと似ているからではないでしょうか。

  つまり、刹那と現実が乖離している状態だからなのだと思います。

  では、なぜこの乖離が起こるのでしょうか。

  それは、普段のルーティンワークに辟易し、日常生活に新鮮さを求めている。しかし、いざ刺激があると、またその刺激が日常からかけ離れれば離れるほど、戸惑いを感じてしまうからなのではないでしょうか?

幸せのヒントとは

  そこで、今回のプロフェッショナルな3人の対談から、普段の生活にプラスに働く「学べる幸せへのヒント」を3つ、ピックアップしてみました。

 

ポイント①  思考を止める

 

  川上が大事にしているのは、「考えない勇気」です。

何かに挑戦するとき、とかく慎重になりやすいものです。しかし、外国ではそううまくいかないことが多いと、川上はフィジーで実感しました。

  「ミスするかもしれないが、やって初めてわかることもある。それは楽しいことだから、とにかくまずはやってみるべきだ」と。

川上はこの思考を止める行動を「止観」とも呼んでいます。

ポイント②  慣れたスケール以外のものを見る

「自分より大きなものを見る」

長井氏はこの文言の意味を、「パソコンの画面内を見続けることで、自身が気づかいないうちにストレスを溜めているのであれば、自分が慣れていないスケールのもの、例えば滝や山を見ることが大切である。」と表現しています。

  確かに、日々忙しく過ごしていると、身の回りの狭い範囲しか見えなくなってしまい、結果、狭い世界での生活に縛られてしまうことになります。

  川上曰く、フィジーのとある生徒は、学校帰りに必ず夕日を眺めるのだそう。忙しさに追われているときは特に、普段しないことをやってみてはどうでしょうか。そうすれば、自分が閉じ込められていた思考から離れて俯瞰で物事を見ることができるかもしれません。

ポイント③  言語化しすぎない

  何かをするうえで、内省は大切なことです。
しかし、全て言葉にしてみることが良いとも限りません。

長井氏は、言語化以外の内省の方法、例えば音楽やアートなどで気持ちを表現してみることの重要性を示唆していました。記憶を言語以外のものに具現化しておくことで、その経験がより鮮やかに残る可能性もあります。

  樫原氏も、「自分の良い感情を言葉にし過ぎると、逆に不幸になる」と指摘しています。

以上のことから、内省を全て言葉にし過ぎると、元々あった感情が冷めてしまうことにつながる場合もあり得ます。そのため、言語化しすぎず、漠然とした状態で残すことも大事なポイントといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は6月27日の一般公開会議から、「学べる幸せへのヒント」を紹介いたしました。

これらはグローカル人材を育てるうえで必要な要素として取り上げていますが、私たちの普段の生活でもとても役に立つものです。

日々の業務や生活において、少しでも新たな気づきをこれらのポイントで得ていただければ幸いです。

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