【続報③】コロナフリーだった留学大国フィジーで、12人の市内感染。現地最新情報まとめ(4.27更新)

約1年コロナフリーだったフィジーで約1年ぶりに、市中感染が広まっています。

こちらの記事では、フィジー政府、日本大使館の公式発表、および現地の情報を引用しながらフィジーのコロナの状況をお伝えします。

フィジーへのお仕事や留学などでの渡航を検討されている方や、ご家族の方のご参考になれば幸いです。

目次

本日までの最新状況

政府発表、コロナ発生状況、街の様子など:4/27更新

フィジー政府公式Facebookより引用
大きな衝撃。新規感染が12名。しかし朗報も・・・?

今回の発表は市内感染で12人。これは今年最大の感染者数です。最初の感染者が見つかった4月18日から、昨日までの市内感染者の合計が10名だったことを考えると、1日で大きく感染が広がったようにも見えます。

ただし今回の朗報は、幸い全員感染経路が分かっています。7名は封鎖されているMakoi地域の発症者の家族、4名は先に発症したホテルスタッフが参加した葬儀の参列者、もう1名も既に陽性となっていた隔離施設に勤務する兵士のルームメイトでした。

引き続き、この先1,2週で「市中感染がどこまで広がるか」が争点。

市中感染の、特にMakoi地域では、経路不明のケースからさらに7名の感染が発見されたことになります。フィジー政府はCheck point(隔離地域の交通上の出入り口となるゲート)の人の出入りを強化しており、人流の抑え込みに力を入れています。1人目の発症者が見つかった西部地区はもちろん、Makoiや首都のある東南部での感染がどこまで広がっているのか、がこの1,2週間で見えてくると思います。

参考原文:

再掲:注目は市中感染(“Local Transmission”の数)

上図のうち注目すべきは左下のLocal Transmission数です。

フィジーはこれまで入国者全員に14日間の強制隔離が義務付けられており、約1年にわたって市中感染を防いできました。2021年4月17日以前の陽性者は、すべて隔離中のホテルで発見(されていたため、「コロナフリー」の国のひとつでした。今回の感染でどこまで市中感染を食い止められるか、がポイントになります。

在フィジー日本大使館からの案内:4/27更新

【緊急】フィジー国内での新型コロナウイルスの市中感染例に関する続報9

4月26日、フィジー保健・医療サービス省は新たに12件の新規感染例を確認したと発表しました。ポイントは以下のとおりです。邦人の皆様におかれましてはフィジー政府の推奨する感染予防策の実施を徹底すると共に、新たな制限等の発表にご注意ください。
フィジー保健省声明:https://www.fiji.gov.fj/Media-Centre/Speeches/STATEMENT-FROM-THE-PERMANENT-SECRETARY-FOR-HEA-(1)
COVID-19無料電話ヘルプライン:158

1 12件の感染例のうち、1件は73件目として感染が確認された隔離施設の兵士のルームメイトです。彼は当初の検査では陰性でしたが7日後の検査で陽性と判定されました。つまり市中感染の危険性はありません。4件はラウトカの葬儀に出席したホテルスタッフの濃厚接触者です。4名とも隔離された際は陰性でしたが現在は陽性と判定されました。同様に市中にいる間は感染する可能性はなかったと言えます。残りの7件は昨日発表されたMakoiの女性の家族です。Makoiでの感染例は最初のCommunity Transmission(他の感染例や、海外渡航と関連づけられない感染例)となる可能性がありました。

2 一方でさらなる調査により、感染した女性の夫は、ナンディの隔離施設で働く30歳の兵士であることが明らかになり、陽性と判定されました。彼は4月10日に検査を受け陰性と判定された後に4月12日にスバの自宅に帰宅しました。残念なことに4月12日以前に感染が判明する前の73件目の隔離施設の兵士との接触があったことが判明しました。現在の状況を考えるとMakoiの感染例はCommunity TransmissionではなくLocal Transmission(感染源を追うことができる感染例)であると言えます。

3 したがって、現在36件の陽性者が隔離されており、そのうち14件は国境感染事例、22件はLocal Transmissionとなります。

4 必要に応じて、外出制限等に変更を加える予定ですが、しばらくの間は昨日発表されたすべての制限は引き続き有効です。

※過去の領事メールは以下より確認できます。
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMail.html?countryCd=0679

4月25日、フィジー保健・医療サービス省は新たに4件の市中感染例を確認し、新たなロックダウン地域を設定すると発表しました。ポイントは以下のとおりです。邦人の皆様におかれましてはフィジー政府の推奨する感染予防策の実施を徹底すると共に、新たな制限等の発表にご注意ください。
フィジー保健省声明:https://www.fiji.gov.fj/Media-Centre/Speeches/STATEMENT-FROM-THE-PERMANENT-SECRETARY-FOR-HEALTH-
COVID-19無料電話ヘルプライン:158

1 4件の新規感染例の内3件はナンディおよびラウトカ、1件はMakoi(スバ近郊)で確認されました。Makoiでの感染者の女性がどこで感染したかは判明していません。そのため、スバ、ラミ、ナウソリにウイルスが拡散した可能性があるため、厳格な措置を講じる必要があります。明日4月26日4時から14日間は以下のロックダウン地域に出入りすることはできません。またナンディおよびラウトカのロックダウン地域は2カ所に分割されます。医療目的を除き封じ込め地域間の移動は禁止されます。
(1)     Wainadoi(ラミとパシフィックハーバーの中間付近)からTamavua- I- Wai(スバの北)
(2)     Tamavua- I- Waiから8 Miles bridges(ナウソリの南西)
(3)     8 Miles bridgesからLogani Village(ナウソリの北)
(4)     Momi JunctionからLomolomo Police Post(ナンディ地域)
(5)     Lomolomo Police PostからNacilau(ラウトカ地域)

2 ロックダウン地域内でのスーパーマーケット、市場、薬局は営業することができます。レストランは営業できますが、持ち帰りとデリバリーのみ利用可能です。限定的な銀行サービスは利用可能です。公共交通機関の座席数は50%に制限されます。

3 昨年のロックダウンの時と同様に、救急サービス、航空交通管制、港湾、民間航空、通信、食料および衛生品製造施設、消防、医療、灯台、気象、鉱山、空調、公衆衛生、燃料、ガス、水道、下水、電力、ゴミ収集、輸送、FNPF(年金機構基金)、FRCS(歳入税関サービス)、公共サービス、警備、道路に関わる必要不可欠な企業は営業できます。もしリストにない場合は休業してください。

4 ラウトカ及びスバ港は貨物輸送の目的で引き続き開かれますが、旅客目的での島間の移動は禁止されます。食料品と農産物の供給者はチェックポイントにおいて警察官と調整した上でロックダウン地域に商品を運ぶことができます。

5 リストにある必要不可欠な事業主は前回のロックダウンの時と同様にチェックポイントを通過する従業員のためのパスを手配する必要があります。バスを取得するためには158に電話してください。

6 もし新型コロナウイルスの症状がある場合はすぐにCOVID-19コールセンターの電話番号の158に電話してください、他の人との握手、触れ合い及び抱きしめたりすることはやめましょう。石けんと水で20秒間かつ一日複数回手を洗ってください。

※過去の領事メールは以下より確認できます。
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMail.html?countryCd=0679

ワクチン接種の登録をしよう

登録すれば日本人もワクチン接種可能に

昨日の記事でご案内した通り、フィジーでは外国人もワクチン接種が可能で、そのためには事前登録が必要です。接種タイミングはまだ分かりませんが、フィジーにいらっしゃる方はご検討ください。

参考原文:

登録システム
https://vra.digitalfiji.gov.fj/

AstraZeneca Vaccination Update
http://www.health.gov.fj/astrazeneca-vaccination-update-2/

【参考】過去の記事はこちら

不定期で現地の情報を更新しています。前回の記事はこちらになります。

【続報】コロナフリーの留学大国フィジーで、1年ぶりにコロナが市中発生。現地最新情報まとめ(4.26更新)

SIF Journal
【続報②】コロナフリーの留学大国フィジーで、1年ぶりにコロナが市中発生。現地最新情報まとめ(2021.4.26更... 2021年4月18日、残念ながら、約1年ぶりに、フィジーで市中感染が確認されました。 こちらの記事では、フィジー政府、日本大使館の公式発表、および現地の情報を引用しなが...

【参考】SIFジャーナルおすすめ、フィジーにおけるコロナ関連情報源

フィジーにおけるコロナ関連情報は以下から誰でも無料で入手可能です。SIFジャーナル編集部では、情報の鮮度、信ぴょう性などから勝手に5段階評価をつけています。

政府系機関

1.フィジー政府 公式 Facebook:【★★★★★】
公式、かつ最新・最速情報。ただし英語。
https://www.facebook.com/FijianGovernment
2.在フィジー共和国日本大使館:【★★★】
日本人にはお勧めですが、更新が遅れることも。最新情報は 3.在留者向けメールニュースがおすすめです。
https://www.fj.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
3.在留者向け案内【★★★★★】
在フィジーなら・・・絶対に在留届を提出し、大使館からの最新ニュースを入手!がお勧めします!
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html

4.日本国外務省:フィジー危険・スポット・広域情報 【★】
最新ニュースや細かい情報は掲載がない
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_076.html

現地大手メディア (すべて英語)

大手メディアはSNSサイトも充実しており、皆さんの好きな方法で最新情報にアクセスできます。現地報道は必ず複数メディアで確認しましょう。信ぴょう性が増し、理解も深まります。ここではまず、大手2社をご紹介します。コロナが落ち着くと、ラグビーのニュースばかりになります。笑 

1. Fiji Sun
HP: https://fijisun.com.fj/
Facebook: https://www.facebook.com/fijisun
Twitter: https://twitter.com/sun_fiji
Instagram: https://www.instagram.com/fiji_sun/
2. FBC News
HP: https://www.fbcnews.com.fj/
Facebook: https://www.facebook.com/fijibroadcastingcorporation.news
Twitter: https://twitter.com/FBC_News
Instagram: https://www.instagram.com/fbcnewsfiji/

【SIFジャーナル主観コメント】フィジー政府のコロナ対応は日本よりはるかに厳しい

迅速だが厳しすぎた2020年

2020年3月、フィジーでは第一号となるコロナ感染者が確認されました。その際には該当地域が完全にロックダウンされ、一切の行き来が許可されず、多くの観光客や留学生が出国できない事態となりました。結果として市中感染は抑え込まれましたが、このときのフィジー政府には日本政府だけでなく、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスなど、多くの在留者・観光客がフィジーに閉じ込められた各国政府から強い働きかけがありました。それでも当時政府は厳格な運用を変えず、強固な体制を敷きました。

その後は、厳しい入国制限によって「コロナフリー」の実績を約1年、積み重ねてきました。先述の通り、入国者は空港から軍の管理のもとホテルに移動、14日間の隔離を義務付けられます。また渡航前に1回、入国後2回、と合計3回のPCR検査が義務付けられる、などのプロセスを経て、コロナウイルスを封じ込めてきました。また2021年3月から、医療関係者にはワクチンの接種も始まっています。

2021年のコロナ市中感染に対する対応は、前年同様迅速、かつ進化を感じる。

2021年4月18日に約1年ぶりの市内感染者が発見されてからのフィジー政府の対応は昨年同様、非常に迅速です。フィジーでは政府もSNSを活用し、接触可能性のある地域などを次々に情報シェアしつつ、ロックダウンしていきます。ただ、今回は発生直後については、国際線に搭乗予定である外国人は特別に空港までの移動が許可され、出国ができており、柔軟性も増した対応への進化を感じます。
※ただし、国際線登場についても日々ルールは変更されています。ご注意ください。

これまで1年間に議論が進んできたことを感じさせるフィジー、市中感染をできるだけ早期に封じ込め、またコロナフリーとなる日が来ることをSIFスタッフ一同願ってやみません。

引き続き当ページでは不定期に情報発信を行っていきます。

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